デンカACF材が実工事採用 コンクリート凝結効果を促進

2021年06月02日

ゴムタイムス社

 デンカは6月1日、同社のコンクリート凝結効果促進材「デンカACF材」が、青森県中泊町における清水建設の実工事で初めて採用されたと発表した。

 寒冷期における工事では、冷たい外気温によりコンクリートの凝結時間が長くなり、通常期と比べ施工の長時間化と作業従事者の負担増加の課題を抱えている。「デンカACF材」は同社のセメント・特殊混和材で培った無機材料設計技術を応用して清水建設と共同開発した凝結促進材料で、工事現場で生コンクリート車に混和材を投入し撹拌する簡易な方法で、コンクリートの凝結時間を短縮し、通常期と同レベルの凝結時間の確保が可能となる。また、外気温や施工現場の環境に合わせてその場で混和材の添加量を調整し、凝結時間を任意に調整することもできる。

 今回の工事では、清水建設と共同で開発したコンクリートの凝結時間制御技術「アドバンストコンクリートフィニッシュ工法(ACF工法)」が用いられ、気温5℃の低気温環境下で適用したケースで4時間以上の工事時間短縮や、ブリーディング低減により発生リスクが高い傾斜面の沈降クラック抑制の効果が確認されている。今後、同社は様々な工事場面での適用に向けて、デンカACF材の販売を本格的に展開していく。

 同社は経営計画「Denka Value―Up」において、高付加価値インフラ事業をヘルスケア、環境・エネルギーとともに重点分野と位置付けている。SDGsを羅針盤に、インフラ整備における人手不足等の社会課題の解決に向けて、同社の特色を生かした独自のスペシャリティー製品の開発を進め、「真に社会に必要とされる企業」を目指してしていくとしている。

 

特殊混和材「デンカACF材」

特殊混和材「デンカACF材」

 

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