千葉地区に研究棟を新設 住友化学、技術・材料開発加速

2021年06月07日

ゴムタイムス社

 住友化学は6月3日、千葉地区(千葉県袖ケ浦市)に環境負荷低減技術や新素材開発の拠点として、新たな研究棟の建設を決定したと発表した。新研究棟は、2024年3月の稼働開始を予定している。同社は、併せて実施する既存施設の統廃合や、他地区から新研究棟への関連するリソースの一部移管を含め、千葉地区の研究開発体制を強化し、社会課題の解決に貢献する技術および材料開発を加速させていく。

 同社は、経営として取り組む重要課題(マテリアリティ)の一つに環境負荷低減への貢献を掲げている。その実現に向けて、20年4月、千葉地区にある石油化学品研究所内に環境負荷低減技術開発グループを新設し、ケミカルリサイクルをはじめとする炭素循環や温室効果ガス排出削減について技術開発を推進している。また、21年4月には、プラスチック資源循環に関わる取り組みの事業化に向けて、プラスチック資源循環事業化推進室を設置した。

 今回決定した新研究棟建設を含む一連の体制強化は、世界各国・地域でカーボンニュートラルの実現に向けた動きが本格化する中、千葉地区の研究エリアを環境負荷低減技術や新素材の研究開発拠点へと変革することを目的としている。同地区は、高分子設計、触媒、プロセス、コンパウンド、加工などの技術のほか、実証のためのスケールアップ設備も有している。それらに加えて新たに研究棟を建設し、多彩な人材や知識、技術を集約することで、これらのリソースを最大限に発揮できる体制を整備し、環境負荷低減技術のほか、次世代モビリティ材料や第5世代移動通信システム(5G)向け材料といった高難度な高分子材料開発など、革新的イノベーションの早期創出にもつなげていく。なお、新研究棟は、周辺環境や省エネルギーに配慮して設計するとともに、研究者間の交流を促進し独創的な製品開発に資する空間設計を導入する。

 同社は、「事業活動を通じて人類社会の発展に貢献する」を経営理念に掲げている。これからも、経済価値と社会価値を一体的に創出し、持続的な成長とともに、サステナブルな社会の実現への貢献を目指していくとしている。

 

新研究棟イメージ図

新研究棟イメージ図

 

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