住友化学は6月9日、サーキュラーエコノミーの実現に向けたマテリアルリサイクルの取り組みを加速させるため、金属や自動車、家電などを扱う総合リサイクル企業であるリバーホールディングスと業務提携に向けた検討を開始することで合意したと発表した。今後1年以内に、業務提携に向けた判断を行う。
同社は、経営として取り組む重要課題(マテリアリティ)の一つに環境負荷低減への貢献を掲げている。その実現に向けて、他企業やアカデミアとの協業によりケミカルリサイクル技術の開発を進めているほか、マテリアルリサイクルやフィルムのモノマテリアル化などにも注力している。これらの技術・製品を広く社会に普及させる上では、早期の開発に加えて、天然資源から製品を製造・販売する「動脈産業」と、使用済み製品を回収・処理し再資源化する「静脈産業」が密接に連携し、資源回収から分別、粉砕、再製品化、販売までの一連のリサイクル体制を構築することが求められている。
今回の業務提携に向けた検討は、同社がこれまで培ってきたプラスチックの製造技術と、リバーホールディングスが有する廃棄物リサイクルのノウハウの融合により、回収されたプラスチック廃棄物を製品として再生させるマテリアルリサイクルを目指すものとなる。具体的な検討事項は、主に使用済み自動車に由来するプラスチックを高度に選別する技術の開発や、幅広い製品に適用可能な再生プラスチックの製造、当該活動における環境負荷評価などとなっている。また、当社が事業化を目指している複数のケミカルリサイクル技術のうち、廃棄プラスチックを原料とする技術での活用も検討していく。
同社は、「事業を通じて人類社会の発展に貢献する」を経営理念に掲げている。今後も同社は、グループを挙げて経済価値と社会価値を一体的に創出し、持続的な成長とともに、サステナブルな社会の実現への貢献を目指していくとしている。