デンカは6月11日、新型コロナウイルス抗原迅速診断キット「クイックナビ―COVID19Ag」を、新型コロナウイルス感染症対策の一環として迅速な抗原検査体制の充実を図る厚生労働省の配布事業に供給すると発表した。
同社は、同配布事業を通じ医療機関や老健施設等における無症状者等を含めたスクリーニング検査体制が早期に構築され、クラスター発生回避や感染抑制につながるとしている。
同社は昨年8月に同キットの販売を開始したが、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けて全国的な検査体制拡充の必要性がさらに高まっていることから、同社が保有している同キットの在庫を厚生労働省に供給することとした。今後、抗原検査の活用範囲がさらに広がり、短時間(15分)で結果の確認ができる同キットの需要が拡大した場合、同社は積極的に増産を行い需要に対応していくとしている。
同社は、経営計画「Denka Value―Up」においてヘルスケア領域を重点分野と位置づけ、インフルエンザワクチンや各種ウイルス抗原迅速診断キットなどの感染症領域に加え、新たにがん領域においてもさまざまな新規事業に取り組んでいる。今後もSDGsを羅針盤に、予防・診断・治療の各領域における製品の開発と製造を通じて世界の人々のQOL向上に貢献することで、真に社会に必要とされる「社会にとってかけがえのない存在となる企業」を目指していく。なお、2021年度同社連結業績への同事業の影響は精査中としている。