日本ミシュランタイヤは6月14日、今月1~4日に開催したオンライン・グローバル・サステナブル・モビリティ・サミット「2021ムービング・オン」で、次世代帆船プロジェクト「ウィザモ」と、46%持続可能な原材料を使用した高性能レーシングタイヤの2件について発表したことを発表した。
①海上輸送の脱炭素化を促進「ウィザモプロジェクト」
ウィザモは、船舶に自動伸縮式の帆を取り付けるシステムで、燃料消費が最大20%向上する。CO2排出量を削減し、海上輸送の脱炭素化を促進する。ミシュランおよびスイスの発案者が共同開発したウィザモは、商船・プレジャーボートいずれにも搭載できる。貨物船やタンカーに最適で、造船時に装着することも後から改造することも可能となっている。あらゆる海上輸送ルートで使用でき、入港時や橋の下を通過する際には、伸縮式の帆を格納できる。
ウィザモの商船への初搭載は2022年で、試験段階完了後、生産を開始する予定となっている。
同社はウィザモプロジェクトを通して、将来的な規制に先駆け、より環境に優しい海上輸送の実現に貢献するとしている。
②46%持続可能な原材料を使用した高性能レーシングタイヤ
同社は、天然ゴムの比率を高め、廃タイヤから回収したリサイクルカーボンブラック、オレンジやレモンの皮、ひまわり油、松やに、アルミ缶からリサイクルしたスチールなどを使用することで、持続可能な原材料比率を大幅に高めることに成功した。ウィザモと併せて、「2021ムービング・オン」で発表したレーシングタイヤは、46%持続可能な原材料を使用している。同タイヤは、24時間耐久レースに追加予定の水素燃料電池プロトタイプカー部門向けに開発している。
同社は今年、2050年までにタイヤを100%持続可能にすることを発表した。最初のマイルストーンとして、持続可能な原材料の割合を2030年までに40%に増加させることを同社グループの目標としている。持続可能な原材料を増やす取り組みに加え、原材料の調達、生産、道路での使用、リサイクルに至るまで、タイヤのライフサイクルすべての段階で環境への負荷を軽減する取り組みを進めている。