BASFは6月15日、プラスチック製自動車部品のサプライヤーである中国の(安徽中鼎橡塑制品)が、Great Wall Motors(長城汽車)向けトランスミッションカバーに、同社のウルトラミッド・ポリアミド(PA6)を使用していることを発表した。
同社の革新的なマテリアルソリューションによる軽量化はエネルギー効率が高く、CO2排出量を削減し、持続可能なモビリティに貢献する。金属をウルトラミッドに置き換えることで、トランスミッションカバーの重量を30~40%削減し、ワンステップ射出プロセスが金属品の生産よりも容易なため、コスト効率の良い製造が可能になる。ウルトラミッドは、高い強度、優れた堅牢性と熱安定性、およびレーザーマーキングが可能で、金属製と比較して、その特性を向上させ、最適化する。
また、同社のシミュレーションツールであるウルトラシムは、さまざまな荷重や環境条件下で成形品の挙動を正確に予測し、高性能で高度な素材を最も効率的に使用するために、トランスミッションカバーの設計の最適化にも役立つ。さらに、自動車部品の強度と性能を最大限に高めることで、必要な試作品の数が減り、それに伴い、開発時間も短縮される。
トランスミッションカバーの開発プロセスの一環として、同社は新しい設備を導入、撮影サイクルタイムを従来の10分から2分にすることで、テストベンチでの全手順を短縮した。また、的確な撮影点を増やすためのレーザーポインターの使用で、部品テスト用ラボもアップグレードさせた。
同社のパフォーマンスマテリアルズ事業本部アジア地域統括本部トランスポーテーション部門バイスプレジデントのデズモンド・ロング氏は、「私たちは、新しいテクノロジーや技術的な専門知識、アップグレードされた素材、さらに部品テストサービスにより、アジア太平洋地域におけるBASFの包括的な研究開発能力を継続的に強化している。アジア太平洋地域のお客様にとって、これは市場投入までの時間を短縮し、競争力を高めることにつながる」とコメントしている。