日本ゼオンは6月16日、独自の製造技術にて開発したシート系放熱材料「VBシリーズ」の生産を開始したと発表した。
近年、サーバーや通信機器用チップの情報処理能力の向上に伴い、熱対策へのニーズが高まっている。今回、同社が生産を開始した「VB200」はVBシリーズの標準グレードで、一般的な放熱材料と較べて、垂直方向(Z軸=厚み方向)に高い熱伝導率を有すると同時に、同社が得意とする特殊エラストマー技術を応用することにより優れた耐久性を発揮する。
放熱材料として一般的に普及しているグリース系材料に比べ、熱伝導率、耐久性、作業性の面において優位性を発揮する同製品は、電子部品の熱問題解決に大きく貢献することが期待される。
今後、半導体業界においては、デバイスの小型化、高速化が進むことにより、ますます発熱の問題がクローズアップされることが考えられる。同社が開発した放熱シートは、これら半導体の高性能化に伴う課題解決に役立つだけでなく、同じく熱マネージメントを必要とするその他電子機器への適用も期待されている。