デンカは6月16日、東邦大学医学部と共同で検証実験を進めてきた新型コロナウイルスの変異遺伝子(部位)同時検出システムに使用する検出用研究試薬「IntelliPlex SARS―CoV―2 Variant Analysis Kit」の販売を同日から測定機関向けに開始したと発表した。
同試薬は、同社が株式の33・4%を保有し業務提携をしているPlexBio社と同社が共同で開発し、理化学品としてPlexBio社から既に発売されている専用の反応用装置および検出用装置と組み合わせて用いられる。高感度かつ同時多項目測定が可能なPlexBio社のπコード法技術を用いることで測定の手間を軽減し、新型コロナウイルスの感染対策において検出の必要性が高まっているアルファ株、ベータ株、ガンマ株等の変異株にみられる計10種の変異部位を同時に検出することが可能になった。同時検出システムは、理論上100種以上の変異部位まで対応可能であることから、新たな変異の発生や拡大に備え、同社はPlexBio社とともに引き続き研究用試薬の開発を進めていく。
同社は新型コロナウイルス感染症への対策を社会的責務と捉え、関係官庁や公的機関、国内外の研究機関の協力と支援のもと、様々な角度から感染症対策に貢献する取り組みを進めている。πコード法のもつ高感度検出・同時多項目測定という特長を最大限に活用し、疫学研究の発展を通じて世界の人々のQOL向上に貢献し、真に社会に必要され「社会にとってかけがえのない存在となる企業」を目指していくとしている。
なお、同社は同件による2021年度同社連結業績への影響について精査中であり、開示すべき事項が生じた場合は速やかに公表するとしている。