デンカは6月16日、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスを一つのデバイスで同時に診断可能な抗原迅速診断キット(以下、同コンボキット)の国内製造販売承認を、厚生労働省より6月16日に取得したと発表した。同コンボキットは製品名「クイックナビ―Flu+COVID19Ag」として、同社と販売提携先の大塚製薬の2社より販売を予定しており、正式に発売日が決まり次第、同社ホームページ等を通じて発表する。なお、同件は2021年度同社連結業績予想に織り込み済。
同コンボキットは、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの両方を10分で判定することが可能であるため、新型コロナウイルス抗原有無の判定時間を15分から10分に短縮した(同社製品比)。
また、同コンボキットはイムノクロマト法で特別な検査機器を必要とせず、一般の医療機関でも迅速かつ簡便に検査を行うことができる。1つのキットでのインフルエンザウイルスと新型コロナウイルスの同時診断に加え、診断時間の短縮により、医療機関のさらなる負担軽減および医師の指導の下で、医療機関・高齢者施設等における速やかなスクリーニング検査体制構築と感染拡大防止に貢献する。
同社が昨年8月に発売した新型コロナウイルス抗原迅速診断キット「クイックナビ―COVID19g」」について、今年3月4日に国内の医学専門誌に掲載された論文では、PCR法による検出と比較して抗原検査における感度は86・7%、特異度は100%と示され、一般に偽陽性と呼ばれる例は確認されなかった等、実際の使用において十分な性能が示されたと結論付けている。
同社は感染症対策を社会的責務と捉え、抗原迅速診断キットにおいては既に1日最大13万検査分の生産体制を構築している。今後も、検査時間のさらなる短縮や感度向上キットの開発を進め、予防・検査体制の拡充を通じて人々のQOL向上に貢献し、「真に社会に必要とされる企業」を目指していくとしている。