三菱ケミカルは6月16日、英Mura Technology社(以下「Mura」)との間で、廃プラスチックから化学製品や燃料油の原料を製造する技術(HydroPRS)のライセンス契約を締結したと発表した。
同社は、サーキュラーエコノミーの実現に向けて、原燃料の脱化石燃料化やプラスチックケミカルリサイクルの技術開発等の検討を続けている。今回、同社はMuraとの同ライセンス契約に基づき、HydroPRSを導入し、プラスチックケミカルリサイクルの事業化に向けた詳細な検討を加速する。
HydroPRSは、高温高圧の超臨界水の中でプラスチックを分解し、リサイクル生成油へと再生する革新的な技術で、従来の直接熱分解技術と比べ、高い収率で石油由来原料と同等の品質(既存設備へ前処理無しでの投入可能)を持つリサイクル生成油を得ることができる。
この技術により、これまでは焼却や埋め立て処理をしていたプラスチックをケミカルリサイクルすることで、プラスチックのライフサイクル全体のCO2排出量と化石燃料の消費を大幅に削減することが可能となり、同社は、サーキュラーエコノミーの実現に大きく寄与できるとしている。
なお、Muraは大規模なプラスチックケミカルリサイクルの工業化を目指しており、HydroPRSは数あるケミカルリサイクル技術の中でも、加速度的に工業化が進む技術となっている。
同社は今後も革新的な技術を導入し、環境・社会課題を解決するソリューションを提供することで、サーキュラーエコノミーの実現に貢献していくとしている。