ニュースの焦点 ゴム企業の業況プラス転換へ

2021年07月05日

ゴムタイムス社

 日本ゴム工業会は21年4月1日に「第88回中小企業会員景況調査」を行い、21年6月25日に発表した。調査項目は、業況判断、売上額、経常利益、販売価格、資金繰り、従業員の過不足状況、当期に直面している経営上の問題点の7項目。調査対象企業は同会の中小企業会員(資本金3億円または従業員300人以下)の69社を対象に実施し、42社から回答を得た。
 業況判断DIの推移を見ると、20年7~9月期実績がマイナス73・8、10~12月期実績がマイナス43・2、21年1~3月期は

マイナス7・1とマイナス幅は改善し、4~6月期(予測)はプラス23・8%の見通しとなった。内需は弱含みにあるが、米国や中国を中心に経済が回復に向かう中、ゴム製品の輸出も回復基調で推移。18年10~12月期からマイナスが続いていた中小企業会員の業況判断DIはプラスに転じる見通しとなった。
 一方、中小企業基盤整備機構が調査した中小企業の景況判断DIでは、21年1~3月期実績がマイナス29・5、4~6月見通しがマイナス20・0で、マイナス幅は縮小しているが、プラスには転じないとみている。
 日本ゴム工業会が発表した他項目のDI指数の21年4~6月期(予測)は、売上げがプラス21・4、経常利益もプラス16・7となる見通しとなっている。
 また、当期直面する課題は「原材料価格の上昇」を挙げた企業が30社で最多。次いで「生産設備の不足・老朽化」が27社、「需要の停滞」が18社、「原材料不足」が15社と続く。原油価格や輸入ナフサ価格の上昇を背景に、ゴム原材料価格は上昇が続いており、会員企業の経営に影響を及ぼすことが懸念される。/hidepost]

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