創立70周年を祝う 日本ゴム工業会が記念式典 

2021年06月30日

ゴムタイムス社

記念式典の様子

 日本ゴム工業会(池田育嗣会長)は6月25日、経団連会館の経団連ホールで創立70周年記念式典を開催した。コロナ禍ということもあり、懇親会は行わず式典のみの開催となったが、会員企業やゴム関連団体から70人(リモートによる出席23人を含む)が出席し、創立70周年を祝った。
 冒頭の挨拶で池田会長は「本式典は昨年10月に開催する予定でいた。コロナ禍で延期や規模の縮小を余儀なくされたものの、本日を開催することができたことを大変嬉しく思う」と述べた。
 また、池田会長は「当会が創設された1950年以降、当会もオイルショックやリーマンショックなど幾多の苦難があり、決して平たんな道のりではなかった。しかし、その時代の先輩方やここにご参集された皆様の知恵や勇気、行動力により多くの苦難を乗り越え成長することができた」と語り、「70周年を迎えた2020年は世界が新型コロナウイルスのパンデミックに見舞われ、戦後最大と言われる経済危機に直面した。しかしながら、ゴム産業はこれまでも幾多の困難を乗り越えてきた。今回の危機も乗り越えることができると思う」と力を込めた。
 続いて池田会長は「近年のSDGsへの対応や、自動車産業ではCASEに表されるように100年に1度と呼ばれる大変革期を迎えており、ゴム産業も変容していかなければならない」と指摘した。
 さらに、カーボンニュートラルへの対応について池田会長は「カーボンニュートラルにどのように取り組むかは、当会にとっても大きな課題だ。これまで経験したことのない大きな変化が始まっているが、この変化は我々の取り組み次第で、自社だけでなくゴム産業全体に大きな恩恵をもたらす可能性がある」と強調した。
 最後に池田会長は「当会は2014年に一般社団法人へと移行し、新たなスタートを切った。ここでもう一度、ゴム工業の発展に資する調査研究と対策の推進にあたるという、当会の本来の使命に立ち返り心を新たに邁進したいと思う」と述べ挨拶を終えた。
 次に、来賓として経済産業省製造産業局の藤木俊光局長が挨拶を行った。藤木局長は「日本ゴム工業会は70年にわたってゴム製品の製造技術の向上、品質管理や人材育成などを推進されてきた。特に、標準化の分野では精力的な活動を展開しており、ISOのゴム製品分野では6年連続で産業標準化表彰を受賞している。このように多方面で努力を積み重ねてこられた日本ゴム工業会の皆さまに敬意を表したい」と祝辞を述べた。

 続いて、永年在任役員に対する表彰と20年度叙勲、褒章受章者に対する祝賀が行われた。永年在任役員の表彰では在任40年以上の役員を対象とし、今回は東海興業ホールディングス取締役名誉会長の木村勝昭氏を表彰した。リモート出席した木村氏には、事務局から感謝状が贈られた。
 また、20年度の叙勲、褒章受章者に対する祝賀では、20年春の旭日双光章を受章した早川ゴム取締役会長早川雅則氏、20年春の藍綬褒章を受章した豊田合成元取締役会長荒島正氏に記念品が贈られた。
 代表して挨拶に立った早川ゴムの早川会長は「このたびの叙勲は広島県の労働委員会の使用者委員として2007年から12年間、労使紛争の解決に取り組んできたことが認められたものになる。労使紛争に共通するのは、労使双方のコミュニケーションの不足にあるということを改めて学んだ。ここにおられる皆様も労使双方で円滑なコミュニケーションを取るようにしていただきたい」などと語った。

池田会長の挨拶

旭日双光章を受章した早川会長と池田会長

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