三井化学、日立と実証試験 MI技術で材料開発高速化

2021年06月30日

ゴムタイムス社

 三井化学は6月28日、日立製作所が開発した人工知能(AI)を活用したマテリアルズ・インフォマティクス(MI)技術について、実際の新材料開発に適用する実証試験を開始すると発表した。

 実証試験に先立ち、日立の開発技術を同社が提供した過去の有機材料の材料開発データで検証したところ、高性能な新材料の開発に必要な実験の試行回数が従来のMIと比較し約4分の1に削減され開発期間を短縮できることを確認した。なお、同技術は、2021年6月30日より開催される学会「DICOMO2021」にて発表予定となっている。

 同社にとって、新製品の開発は事業活動の要となる。ただし、新製品開発には、課題抽出、基礎研究から、スケールアップなどの実証実験など、多大な時間・コストを要する。今回、同社が過去から蓄積している膨大な開発に関する知見と、日立が提供するデジタル技術とを融合することで、新製品開発に掛かる時間・コストを大幅に削減することが可能になる。

 今後同社は、DXを通じた社会課題解決のため、革新的な製品やサービス、ビジネスモデルをアジャイルに創出し、社会に提供していく。日立は今回開発したMI技術の実用化をめざし、先進的な技術を活用した「Lumada」ソリューションとして提供している「材料開発ソリューション」へ適用することで、顧客・パートナーのより短時間・低コストでの材料開発や競争力強化を支援していく。両社は、これからも素材開発の協創を推進し、持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。

 

三井化学ロゴ

三井化学ロゴ

日立ロゴ

日立ロゴ

従来のMIを利用した新材料開発

従来のMIを利用した新材料開発

新技術を採用した新材料開発

新技術を採用した新材料開発

 

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