ダウは6月30日、同社とシェルが、電熱分解炉(クラッカー)の技術プログラムの進捗状況を発表した。
両社は、オランダ政府が資金提供を行うMOOIスキームにおいて、同共同プログラムが350万ユーロ(420万米ドル)を獲得したことを発表した。また、オランダ応用科学研究機構(TNO)およびサステナブルプロセス技術研究所(ISPT)との協働についても発表した。この複数企業による協力は、短期的な進捗と長期的なブレークスルーにおいて必要となる、重要なマイルストーンの達成を加速することを目的としている。
初年度のプログラムは、既存の熱分解炉の電化を目指すと同時に、長期的には電化された熱分解炉の新設計に用いる革新的な技術を追求している。この2本立てのアプローチを通じて、両社の2030年のCO2削減目標を達成するために必要な大幅な排出削減、さらにはパリ協定に沿った両社の2050年までのネット・ゼロ排出目標の達成を目指す。オランダと米国の共同チームは、電気設計、金属学、炭化水素技術、計算流体力学などの専門知識を展開することにより、コンセプトの絞り込み、排出削減効果の実証、特許の推進、電気加熱構造の耐久性の実証、装置サプライヤーとの提携を行った。
両社は現在、数メガワット規模のパイロットプラント建設の審査を行っており、投資支援を前提に、2025年の稼働を目指している。