ドイツのランクセスは7月1日、電気自動車用充電インレットの新しいデザインコンセプトを開発したと発表した。
電気自動車のブームにより充電インフラ用のプラスチックの需要が急増している現在において、同社はこの分野で、高性能プラスチック「デュレタン」とポリブチレンテレフタレート(PBT)「ポカン」の使用機会が豊富にあるとしている。新しいデザインコンセプトは、熱可塑性樹脂がもたらす可能性を示している。
同インレットは電気自動車に搭載され、外部充電ステーションの充電カプラーを収納する。デザインを考案したハイパフォーマンスマテリアルズ(HPM)ビジネスユニットのアプリケーション開発者であるグレゴール・ヤシュケヴィッツ氏は、「ランクセスのアプローチは、様々なコンポーネントに適用される複雑な要件を最高の精度で満たすために、適切な材料を適切な場所に配置するモジュラー構成を使用することを目的としている。同時に、ユニット全体の組み立てを可能な限り容易にするために、高レベルの機能統合が意図されている。これは、コストを低く抑えるために、スクリューレスアセンブリと最小限のコンポーネントを意味する」とコメントしている。
デザインは充電システムのメーカーとの共同討議の成果であり、同社がこれまでに数多くの充電インフラ開発プロジェクトで蓄積してきた経験が生かされている。例えば、Oリング、シーリングコード、ファミリーシールなどが使用でき、2液射出成形プロセスで製造されたリップシールも使用できる。
また同社は、HiAntサービスブランドを通じて、充電システムメーカーを広範囲なサービスで支援している。例えば、プロジェクトパートナーに代わって、コンポーネントの形状や材料がどのようにして使用されるかを計算し、シミュレーションを行っている。
同社は現在、今回の新しいデザインを、充電プラグのような充電インフラの他のアセンブリに適用することを検討している。車両の充電インレットで培った設計と材料の専門知識は要件が非常に似ているため、同分野でも大いに活用できるとしている。