信越化学工業は7月1日、同社のシリコーン事業が、温室効果ガス排出量の削減に資する総額200億円の投資を実施すると発表した。
具体的には、「自社の製造工程での温室効果ガス排出量の削減への投資」「顧客の製造工程での温室効果ガス排出量の削減や環境対応型製品に使用する製品の供給能力増強の設備投資」を行う。
「自社の製造工程での温室効果ガス排出量の削減への投資」では、シリコーン事業の主力工場である群馬事業所で、自社での電力自給率をさらに高め、現状と比較して温室効果ガスの排出量を14%を削減する。投資額は100億円を予定している。
「顧客の製造工程での温室効果ガス排出量の削減や環境対応型製品に使用する製品の供給能力増強の設備投資」では、変性シリコーンオイルや成形用シリコーンゴム、放熱シリコーン材料などの環境に貢献する製品の供給能力を増強する。投資額は合計100億円で、群馬事業所にて実施する。
同社は、カーボンニュートラルを経営の重要課題として取り組んでいる。シリコーン事業では、加工工程で二次加硫(加熱)を必要としないミラブル型シリコーンゴムを開発し上市している。同製品を使用することにより、加工時間を従来品より約9割も削減することが可能となり、顧客での省エネルギーと生産性の向上を可能にした。
また、ゴム成形品の軽量化を実現する低密度タイプのシリコーンゴムの用途は、自動車、航空機などの輸送機やウェアラブル端末など多方面にわたり、軽量化により省エネルギーに貢献する。これら2つの製品の他にも、温室効果ガス排出量の削減への貢献等、地球環境に貢献するシリコーン製品を数多く開発し供給している。
同社では、日本をはじめ主要国がめざすカーボンニュートラルの実現に向けて、自社での温室効果ガス排出量の削減とともに、顧客はじめ社会全体の排出量の削減に資する製品の強化をより一層注力するとしている。