エボニックジャパンは7月2日、ヒートポンプ・蓄熱センター が主催する「令和3年度デマンドサイドマネジメント表彰」において、同社、ダイナエアー、日建設計総合研究所の3社で共同応募した「熱源の効率を高める液式調湿空調機」が、省エネ性や経済性を評価され、最高位である「経済産業省資源エネルギー庁長官賞」を受賞したと発表した。デマンドサイドマネジメント表彰は、電力負荷平準化効果と省エネルギー性に優れ、先進性に富んだ機器やシステムに授与される。
同プロジェクトでは、同社が調湿液の開発、提供を行い、ダイナエアーが製品考案、製造販売、日建設計総合研究所が評価・省エネ性検討を担当している。
同液式調湿空調機は、調湿液の温度と濃度を調節することで、空気の湿度と温度を自由にコントロールすることができる。一般的な空調方式と比べて除湿時は冷水温度を高めに、加湿時には温水温度を低めにすることが可能で、熱源の運転効率を大幅に高めることでデマンドを抑制することができる。この調湿液に世界で初めてイオン液体が使用され、同社の「CreCOPlus」が採用されている。
従来、調湿液として使用されている塩化リチウムには金属腐食の課題があったが、CreCOPlusは調湿性能を有し、かつ金属に対する腐食性が極めて弱いことから、チタン等の高価な材料を使わずとも機器が作れるようになった。その結果、製造コストを低減し、さらに、調湿液の使用量を低減することで、従来と比較し、調湿液を循環させるポンプの消費電力の削減に貢献している。