住友ゴム工業は7月6日、8月1日から順次発売するSUV用スタッドレスタイヤ「WINTER MAXX SJ8+(ウインターマックスSJ8+)」の商品説明会をオンラインで開催した。
新商品ウインターマックスSJ8+は、2013年発売のウインターマックスSJ8の後継モデル。サイズは従来品のSJ8から16サイズ追加し全54サイズとなっている。
SJ8+の特徴は、市場で高い評価を得ている従来品の「ウインターマックスSJ8」のトレッドパターンをそのままに、昨年発売したダンロップ史上最高の氷上性能を実現したスタッドレスタイヤ「ウインターマックス03」で採用したコンパウンド「ナノ凹凸ゴム」を組み合わせることで、氷上ブレーキ性能は従来品のSJ8比で14%向上、氷上コーナリング性能は11%向上させたことにある。
新商品の技術説明を行った技術サービス部の廣江隼氏によると、「通常、10%程度の氷上性能向上を図ろうとすると、トレッドパターンとコンパウンドの両方で実現させるが、SJ8+はナノ凹凸ゴムの技術だけで氷上性能向上を実現している」と語り、「改めてナノ凹凸ゴムの凄さがわかっていただけると思う」とアピールした。
今回採用したナノ凹凸ゴムの特徴は、除水時間の短縮と密着している時間の長さの向上を同時に実現した点だ。
一つ目の特徴である除水時間の短縮では、ナノ凹凸ゴムの柔らかな凹凸構造が起点となり、タイヤと路面との間にある滑りの原因である水膜を隙間なく押し出すことで、除水から密着へ素早く高速に移行するが、「当社ではこのことを瞬間密着と呼んでいる」(廣江氏)とし、SJ8+の除水時間はSJ8比で1・5倍~2倍スピードアップしたという。
2つ目の特徴である密着面の最大化については、ナノ凹凸ゴムの柔らかな凹凸構造が水膜を押し出しながら、氷の隙間に密着することで、氷に触れる面積が向上した。これにより、SJ8に比べて強い密着力を引き出すことに成功した。
さらに、ナノ凹凸ゴムでは、水と反応して溶ける「MAXX(マックス)グリップトリガー」が配合されている。このため、タイヤが摩耗しても表面に出てきたマックスグリップトリガーが溶けて、新たな凹凸構造が再出現することから、SJ8+は使い始めから使い終わりまで「瞬間密着」が持続するとしている。
氷上性能以外の性能では、SJ8+はSJ8よりも静粛性能、効き持ち性能ついても向上させた。その一方で、ライフ性能はSJ8に比べてやや低下したものの、1シーズン5000キロ×4シーズンの自社のロングライフ基準は十分に満たしているとしている。
また、近年SUVは人気を集めているが、それと同時に、冬道での安全・安心への関心も高まっている。ダンロップでは「ウインターマックス03」と「ウインターマックスSJ8+」の2商品をSUV用スタッドレスタイヤとしてラインナップしていく。そうした中で、同社はSUVユーザーのニーズに合わせて、ウインターマックス03は都市型SUVに、ウインターマックスSJ8+は都市型SUVに加え、深雪や泥濘道など山岳路も走行するクロカン車両へ装着を勧めていく考えだ。