イノアックコーポレーションは7月14日、植物由来原料50%以上を配合した国産バイオマスウレタンフォーム「ECOLOCEL BEH(エコロセル)」の開発に成功したと発表した。
エコロセルは植物由来原料を50%以上配合した同社の国産バイオマスウレタンフォームで、非食用の植物由来の原料を使用し、50%の高比率配合でありながら石油由来原料品と同等の物性を維持する。
エコロセルの特長は、① カーボンニュートラルによるCO2排出量削減、② 化石資源への依存を低減、③ 低臭(植物由来原料特有のにおいが少ない)、④ 汎用品同等の機械物性、⑤ 幅広い用途例(キッチンスポンジ・マットレス・まくら・衣料用パットなど)の5点が挙げられる。
持続可能な社会へ貢献するため、限りある資源を有効に活用することは、すべての企業にとって重要な活動といえる。近年、世界的な問題となったマイクロプラスチックによる海洋汚染や石油・化石資源の枯渇、廃棄物処理問題が国内外問わず社会課題となっており、迅速かつ的確な対応がメーカーに強く求められている。こうした環境問題に対し、同社は40年以上も前から植物由来の材料開発を進めており、2000年初頭からは本格的な製品開発へとシフトしてきた。
石油由来の製品と比較すると、強度が弱く、品質が安定しないといった課題があり、製品化が極めて困難な状況が続いていたが、同社は「カーボンニュートラル」という考えと高分子素材のリーディングカンパニーとしての矜持のもと、製品開発を進めてきた。植物由来原料50%以上配合のウレタンフォームを開発するまでの道のりは困難を極めたが、配合と発泡試験を幾度となく繰り返す試行錯誤の末、同社は開発の成功に至った。
同社では、エコロセル製品サンプル(キッチンスポンジ)と製品資料を無料で提供している。なお、サンプルの提供は日本国内の法人企業が対象で、先着500人限定となっている。