ブリヂストンは7月15日、乗用車用スタッドレスタイヤの新商品「BRIZZAK(ブリザック)VRX3」の発表会をオンラインで開催した。ブリザックVRX3は全111サイズで21年9月1日より順次発売する。
ブリザックVRX3の商品コンセプトについて、ブリヂストンタイヤソリューションジャパン常務執行役員商品戦略担当の長島淳二氏は「新次元のプレミアムブリザックをコンセプトに、従来品のVRX2対比で氷上ブレーキ性能は20%向上させたほか、摩耗ライフ性能は17%向上、高い氷上性能が長く続く効き持ち性能を向上した」と話し、「VRX3は従来のVRX2でも好評だったスタッドレスタイヤに求められるあらゆる性能を進化させ、最も重要な氷上性能を大幅に向上させた」と強調した。
続いてブリヂストン常務役員製品開発管掌の草野亜希夫氏が登壇し、ブリザックVRX3の搭載技術について説明した。
草野氏はブリザックVRX3の氷上性能が大幅に向上した理由について3つの進化(吸水力の進化、柔らかさの進化、パタンの進化)をあげた。
吸水力の進化では、同社のスタッドレスタイヤで用いられている独自技術「発泡ゴム」を、従来にない新たな発想でさらに進化させた「フレキシブル発泡ゴム」をVRX3に搭載した。このフレキシブル発泡ゴムは、VRX2と同様に親水作用による吸水力を備えつつ、毛細管現象によって水を吸い上げることで、従来の発泡ゴムよりも吸水力を大きく向上させることができたという。
柔らかさの進化では、ゴム部分に経年による硬化を抑制する新素材「ロングステイブルポリマー」を配合した。ロングステイブルポリマーはオイルよりも抜けにくく、発泡ゴムの柔らかさをさらに持続させることでき、効き持ち性能が向上。新素材について草野氏は「材料は異なるが、モータースポーツで培ってきた分子レベルでの配合設計技術を応用し可能となった」と説明した。
パタンの進化では、VRX3では新トレッドパタンとして「L字ブロック」「端止めサイプ」を搭載した。L字ブロックは、ブロックの先端に突起を設けることで、周方向溝からブロック周りへの水の回り込みをコントロールした。また、端止めサイプはサイプの一部の端を貫通させずサイプ内への余計な水の浸入を抑制することに成功。これによりタイヤと路面の滑りをさらに低減させ、摩耗ライフ向上につなげたという。
効き持ち性能では「VRX3は新品での断トツな氷上性能に加えて、4年経過した後でもVRX2の新品以上の氷上性能を維持している」とし、「ブリザックVRX3は圧倒的なアイス性能、効き持ち性能、摩耗ライフ性能に加え、ドライ、ウエット、転がり抵抗、静粛性などタイヤに求められる全方位型で大きな性能円を実現した、ブリヂストン史上最高で最強のブリザックとなった」(草野氏)と締めくくった。その後、CMキャラクターを務める女優の杏さんがスペシャルゲストとして登壇し、司会者とのトークショーも行われた。