横浜ゴムは7月27日、自動車用エアコンホースの大幅な軽量化に成功したと発表した。軽量化に成功したホースは、同社の独自技術を駆使して開発したゴム・樹脂ポリマーアロイを用いることで柔軟性、耐熱性といったゴムの特性を活かしながら、樹脂の高いガスバリア性によって従来比50%の大幅な軽量化を実現している。
また、ホースを製造する際、多量の熱を使う加硫が不要のため、カーボンニュートラル達成に貢献する。同社はホースと配管を一体化した設計・評価を強みとしており、様々な顧客要求、配管レイアウトに対応することが可能となる。配管についてはオール樹脂化を進め、ホースと配管の組み合わせでも大幅な軽量化を実現する。同社は今後、実用化に向けた開発を継続しながら、他の自動車配管への参入も目指すとしている。同社は現在、実用化に向けて開発を加速しており、2024年からの本格的な事業展開を目指す。
自動車産業を取り巻く環境はCASE、MaaS、DX(デジタルトランスフォーメーション)など大変革の時代を迎えている。さらに世界各国が「2050年までのカーボンニュートラル達成」に向けて脱炭素化への動きを加速し、次世代環境対応車へのシフトが急進している。こうした中、航続距離の延長や燃費向上の観点から車両の軽量化が課題のひとつとなっており、搭載部品への軽量化ニーズはますます高まっている。
同社のホース配管事業ではゴム製、樹脂製の高圧ホースなど多くの産業を支える商品を生産販売しており、自動車用エアコンホースは日本や北米などのカーメーカーに納入している。同社は今年2月に発表した新中期経営計画「YX2023」の中でホース配管事業をMB事業を牽引する成長事業のひとつと位置付けており、今後も次世代環境対応に向けて独創的なホース配管の開発を推進していくとしている。