信越化学工業の22年3月期第1四半期連結決算は、売上高が4342億3900万円で前年同期比20・8%増、営業利益は1288億1800万円で同41・7%増、経常利益は1308億3100万円で同37・4%増、四半期純利益は957億2500万円で同38・1%増となった。
セグメントのうち、生活環境基盤材料事業は、売上高が1571億円で同38・1%増、営業利益は441億円で2・3倍増。塩化ビニルは、世界の強い需要の伸びに支えられて製品価格が上昇した。米国シンテック社で今年2月に起きた大寒波による生産減や鹿島工場での定修を除けば、全拠点でフル操業を維持した。
電子材料事業は、売上高が1611億円で同11・5%増、営業利益は567億円で同9・4%増。幅広い分野向けに旺盛な需要が続く半導体デバイス用途に、半導体シリコン、フォトレジスト、マスクブランクス等の製品が高水準な出荷を継続した。希土類磁石は、自動車向け、ファクトリーオートメーション、ハードディスクドライブほか全方位で力強く推移した。
機能材料事業は、売上高が916億円で同18・3%増、営業利益は227億円で同39・4%増。前年同期に経済活動制限がパーソナルケア需要にもたらした落込みは、今年に入り解消した。車載用での在庫調整も終了し、出荷は順調だった。ヘルスケア用製品は引き続き底堅く推移した。
加工・商事・技術サービス事業は、売上高が243億円で同2・9%増、営業利益は53億円で同76・1%増。半導体ウエハー容器の出荷は発送・納入用も工程内用も好調で、自動車用入力デバイスの生産・出荷も需要の回復に即応した。
2022年3月期の通期の連結業績予想は、売上高は1兆7000億円で前期比13・6%増、営業利益は4850億円で同23・7%増、経常利益は5000億円で同23・4%増、当期純利益は3630億円で同23・6%増を見込んでいる。