自動車用ゴム部品メーカーの22年3月期第1四半期連結決算が出揃った。自動車生産の回復を背景に、自動車部品メーカー5社とも増収となったほか、利益面は豊田合成、NOK、住友理工、西川ゴム工業が黒字に転換し、フコクも増益となり、業績改善が鮮明となっている。
◆豊田合成
売上収益が2031億1900万円で前年同期比82・6%増、営業利益が112億6100万円(前年同期は98億900万円の損失)となった。売上は、米州や中国、日本等における半導体不足による減産影響はあったものの、全体では前期の新型コロナウイルスによる減産からの生産回復により増収となった。
営業利益については、前期のコロナによる減販影響の反動(増販効果等)により増益となった。
◆NOK
シール事業の売上高は840億3200万円で61・0%増、営業利益は99億1300万円(前年同期は35億6900万円の営業損失)となった。自動車向けは半導体等の部品不足による減産の影響が一部にあるものの、需要の回復幅が大きく、販売は増加した。一般産業機械向けについても、コロナ影響から脱却した海外諸国の経済の回復が寄与し建設機械、工作機械、ロボット等の需要が増加し、販売は増加した。
◆住友理工
自動車用品は、売上高は947億円で同78・6%増、事業利益は14億円(前年同期は82億円の損失)となった。
地域別では、日本、米州、欧州は半導体不足による自動車の減産影響を受けたものの、前年同期における経済活動の制限や、生産調整等による影響からの反動により生産台数が増加し、増収。中国は、一部で半導体供給不足による減産影響を受けたものの、全体としては販売好調で売上増加に加え、為替換算によるプラス影響もあり増収。タイは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が見られたものの、輸出向けを中心に生産台数が増加し増収。
利益面は、北米、中国を中心にグローバルで原材料高騰の影響があったものの、各地域での売上増加により、黒字に転換した。
◆西川ゴム工業
売上高は222億9000万円で前年同期比41・6%増、営業利益が17億9600万円(前年同期は営業損失9億2000万円)となった。
セグメント別では、日本は自動車生産台数が前年同期比で増加したことなどにより増収。北米は、自動車生産台数が前年同期比で減少したものの、受注車種の影響などにより増収となったが、米国拠点の大寒波により一過性費用の発生などの影響を受け損失となった。東アジアは自動車生産台数が前年同期比で増加したことなどにより増収。東南アジアは、自動車生産台数が前年同期比で減少したが受注車種の影響などにより増収増益となった。
◆フコク
売上高は189億7800万円(前年同期は158億8400万円)、営業利益は13億3700万円(同3700万円)となった。米国、中国の自動車販売の復調等により、昨年後半から回復基調にあった受注の戻りが加速化したことから増収となった。
機能品事業は国内、海外ともに急速に受注が回復し、売上高は87億8200万円で同37・1%増。セグメント利益は売上増加に加え、生産合理化、経費削減等の体質改善により12億6500万円で同309・4%増となった。