プラスチック機械大手6社の22年3月期第1四半期連結決算が出揃った。(日精エー・エス・ビー機械は21年9月期第3四半期決算)。自動車関連をはじめ需要が増加したことから、カワタを除く5社で増収、利益は全社で増益となった。
◆日精樹脂工業
売上高は111億3800万円で前年同期比26・0%増、営業利益は5億8700万円となった。
主力である射出成形機の販売が自動車関連を中心に需要が堅調だったことから増収増益となった。
地域別では、日本は自動車関連を中心に需要がゆるやかに回復したが、減収増益となった。欧米地域とアジア地域は増収増益となった。
◆日精エー・エス・ビー機械
21年9月期第3四半期決算は、売上高は273億7100万円で前年同期比57・0%増、営業利益は72億8700万円で同178・6%増となった。
地域別では、消毒液や生活必需品等の容器需要の高まりを受け、北米を中心に好調な引き合いが続いたことにより、増収増益となった。
欧州各国ではコロナ禍への対応が異なり、地域による濃淡の差はあるものの、中小型機を中心に引き合いが好調に推移した結果、増収。セグメント利益も、増収効果に加え、展示会費用の減少等により増益となった。
◆カワタ
売上高は41億1100万円で前年同期比5・1%減、営業利益が1億9000万円で同101・0%増となった。
地域別では、日本は都市部を中心とした新型コロナウイルスの感染再拡大の影響は限定的で、引き続き日用雑貨や容器・物流関連の受注は堅調に推移したものの、自動車関連については前年度末の受注残高が少なかったため減収減益となった。東アジアは、中国経済が中国国内の新型コロナウイルス感染拡大抑止と経済活動維持の両立により回復基調にあり、自動車関連を中心に受注増となったことから増収増益。
東南アジアは、インドネシアでは新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからず経済活動の制限が続いているものの、その他各国では設備投資の持ち直しの動きがみられた。北中米は、新型コロナウイルスに対するワクチン接種や行動制限の緩和が進んでいるものの、中米では半導体不足による自動車関連を中心とした製造業の減産等があった。
◆ユーシン精機
売上高が47億6300万円で前年同期比27・2%増、営業利益は5億3900万円で同79・3%増となった。
欧州では特注機が大口案件の販売減少により前年同四半期比では減少となった一方で、設備投資意欲の回復に伴い、日本やアジアでの取出ロボットの販売が増加したことに加えて、引き続き中国や韓国、北米において販売が好調に推移した。
◆住友重機械工業
プラスチック加工機械事業が含まれるインダストリアル マシナリー部門の売上高は494億円で同14%増、営業利益は39億円で同24%増となった。 プラスチック加工機械事業は、中国の電気電子関連の需要増加や欧米での需要増加により、受注、売上、営業利益ともに増加した。 その他の事業では、半導体関連の需要が増加したことから受注は増加したものの、半導体関連の受注残が前年に比べ減少したことから売上、営業利益はともに減少した。
◆日本製鋼所
樹脂製造・加工機及び成形機が含まれる産業機械事業の売上高は381億9600万円で同11・7%増、営業利益は40億4700万円で同18・2%増となった。
樹脂製造・加工機械で複数の大型案件を受注したことに加え、成形機が増加したことから増収増益となった。