東洋紡の2022年3月期第1四半期決算は、売上高は946億4400円で前年同期比25・4%増、営業利益は92億4400万円で同112・1%増、経常利益は74億6800万円で同170・2%増、四半期純利益は61億7000万円同249・8%増となった。
フィルム・機能マテリアルでは、売上高は457億円で前年同期比26・0%増、営業利益は68億円で同73・9%増。工業用フィルム事業、機能マテリアル事業が堅調に推移した結果、増収増益となった。フィルム事業では、包装用フィルムは巣ごもり需要が継続したが、前年度の火災事故による販売減少、および原料価格高騰の影響を受け苦戦した。工業用フィルムは、堅調な市況を背景に新ラインの本格稼働により販売を伸ばした。機能マテリアル事業では、国内外で販売が堅調に推移した。また、水現像型感光性印刷版を扱う光機能材料事業は、中国・欧州向けの販売を伸ばした。
モビリティの売上高は111億円で同63・0%増、営業損失は5億円(前年同期は営業損失7億円)。新型コロナウイルス禍からの世界的な自動車需要の回復に伴い、エンジニアリングプラスチック、エアバッグ用基布の販売が堅調に推移した結果、増収し営業損失が縮小した。エンジニアリングプラスチックは、国内・海外ともに販売が回復し、堅調だった。
生活・環境の売上高は277億円で同21・1%増、営業利益は15億円で同338・0%増となった。長繊維スパンボンドやポリエステル短繊維などは原料高の影響を受けたが、スーパー繊維は新型コロナウイルス禍から需要が回復してきた。その結果、増収増益となった。
ライフサイエンスの売上高は75億円で同18・0%増、営業利益は19億円で同86・6%増。新型コロナウイルス禍が収束しない中、PCR検査関連製品の需要が拡大し、増収増益となった。
通期の連結業績予想は、売上高が3650億円で前期比8・2%増、営業利益が290億円で同8・8%増、経常利益が240億円で同15・9%増、親会社株主に帰属する純利益が130億円で同209・4%増を見込んでいる。