ユニチカの2022年3月期第1四半期決算は、売上高は280億5700万円、営業利益は21億900万円で同34・6%増、経常利益は17億8100万円で同97・2%増となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は12億5900万円で同298・6%増となった。
高分子事業は、フィルム事業では原材料価格上昇の影響を受けたが、販売数量が増加し、好調に推移した。包装分野は巣ごもり需要の増加により堅調に推移し、バリアナイロンフィルム「エンブレムHG」などの高付加価値品も国内外で好調に販売が伸長した。インドネシア子会社のエンブレムアジアも堅調だった。工業分野は、半導体関連を中心に好調に推移し、シリコーンフリー離型ポリエステルフィルム「ユニピール」などの高付加価値品の販売も順調に伸長した。樹脂事業では原材料価格上昇の影響を受けたが、自動車用途が堅調に推移し、電気電子用途も好調だった。ナイロン樹脂は前年の新型コロナ影響による自動車関連を中心とした需要減少から回復し、販売が増加した。また、ポリアリレート樹脂「Uポリマー」は、情報端末機器用途などで堅調に推移した。設備投資関連、建材等の分野が復調してきた影響を受け、他の素材も堅調に推移した。結果、高分子事業セグメントの売上高は125億400万円(前年同四半期は101億2300万円)、営業利益は21億9800万円(同61・1%増)となった。
機能資材事業は、活性炭繊維事業では、主力の浄水器用途は業務用など一部で新型コロナの感染拡大の影響により低調だったが、その他は全般的に緩やかな回復基調で推移し、環境関連用途、自動車向け用途も堅調だった。ガラス繊維事業では、産業資材分野は民間の設備投資需要が回復せず建築関連の不燃シートが低調に推移し、環境関連のフィルター用途も苦戦した。電子材料分野のICクロスは、情報端末及び周辺機器の半導体やモジュール用途が好調に推移し、超薄物や低熱膨張タイプなどの高付加価値品の販売は堅調だった。ガラスビーズ事業では、道路用途、反射材用途は前年の新型コロナの感染拡大の影響による需要減少からほぼ回復した。工業用途も自動車向けを中心に堅調だった。不織布事業では、建築や自動車各用途で前年の新型コロナの感染拡大の影響による販売の減少から緩やかに回復した。スキンケア用途は、外出自粛などの影響により、引き続き低調だった。前年旺盛だった生活資材用途の医療用ガウンや衛生材用途の除菌シートなどの需要は落ち着いた。産業繊維事業では、短繊維はフィルター用途の需要増加により好調に推移した。ポリエステル高強力糸は、建築土木用途で、新型コロナの需要減少から緩やかに回復した。結果、機能資材事業セグメントの売上高は84億4500万円(前年同四半期は74億9500万円)、営業利益は8200万円(同56・6%減)となった。
通期の連結業績予想は、売上高は1130億円、営業利益は70億円で同16・3%増、経常利益は56億円で同4・1%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は47億円で同21・6%増を見込んでいる。