ランクセスが買収を完了 米国の特殊化学品メーカー

2021年08月06日

ゴムタイムス社

 ランクセスは8月4日、米エメラルド・カラマ・ケミカル社を8月3日付で買収し、同社としては2番目に大きな買収を完了したと発表した。エメラルド・カラマ・ケミカル社は米国に本社を置く特殊化学品メーカーで、米国の投資会社アメリカン・セキュリティーズLLCの複数の関連会社が株式の過半数を所有していた。

 エメラルド・カラマ・ケミカル社の企業価値は10億7500万米ドル(約9億ユーロ)、負債類似項目を差し引いた後の買収額は約10億4000万米ドル(8億7000万ユーロ)で、同社は保有する流動資産から資金を調達した。

 同社CEOのマティアス・ツァハト氏は「エメラルド・カラマ・ケミカル社は、私たちの成長戦略の勢いを増してくれる原動力になるだろう。今回、統合される新しい事業はランクセスにとって理想的で戦略的に高い適合性をもっている。当社は、魅力的な成長率が期待できる市場でのポジションを強化し、特に飲料および食品産業、あるいは洗浄剤や化粧品用製品において、利益率の高い新たな応用分野を開拓している。さらに、エメラルド・カラマ・ケミカル社は完全に後方統合されており、コンシューマープロテクション部門におけるバリューチェーンを強化する。したがって、この部門は、ランクセスをさらに安定させ、収益性を高めるための重要なエンジンとなる」とコメントしている。ツァハト氏はさらに、「現在、強力なチームは、迅速な統合を確実にするために全力で取り組んでいる」と述べている。

 取引終了とともに、同社は米国ワシントン州のカラマ、オランダのロッテルダム、英国のウィッドネスにある3つの生産拠点に在籍する約470人の従業員を統合した。

 2020年のエメラルド・カラマ・ケミカル社の売上高は、約4億2500万米ドル(3億7500万ユーロ)で、特別項目を除いたEBITDAは、約9000万米ドル(8000万ユーロ)だった。同社は今後3年以内に、相乗効果によるEBITDAの上積みとして約3000万米ドル(2500万ユーロ)を見込んでいる。同買収完了後の初年度から、同社の1株当たり利益に寄与すると見ている。

 

米国・ワシントン州カラマ拠点

米国・ワシントン州カラマ拠点

オランダ・ロッテルダム拠点

オランダ・ロッテルダム拠点

英国・ウィッドネス拠点

英国・ウィッドネス拠点

 

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