航空・宇宙、工業用品事業不調 櫻護謨の4~6月期

2021年08月16日

ゴムタイムス社

 櫻護謨の22年3月第1四半期連結決算は、売上高が11億9900万円で前年同期比32・6%減、営業利益は3億1100万円の損失(前年同期は9700万円の損失)、経常利益は3億1100万円の損失(前年同期は9500万円の損失)、四半期純利益は2億2000万円の損失(前年同期は8300万円の損失)となった。

 売上高は、航空・宇宙、工業用品事業において、受注の端境期にある官需大型機向けの販売が大きく落ち込んでいることを主因として減少した。消防・防災事業は前年同期並みの微減、不動産賃貸事業は前年同期のような新型コロナウイルス感染症に対応した休業はなく、売上高は増加で推移した。なお、消防・防災事業では、顧客予算との関係から売上高は下期に集中する傾向にあり、利益面においても、航空・宇宙、工業用品事業における売上高減少の影響は大きく、各段階損益は前年同期と比べ損失が拡大している。

 セグメント別では、消防・防災事業は売上高が5億3100万円で同1・9%減、セグメント損失は8500万円(前年同期は7200万円のセグメント損失)。前年同期と比べ消火栓ホースの販売増とオリンピック向け資機材のスポット販売があったが、特殊車両の販売は減少した。

 航空・宇宙、工業用品事業は、売上高が5億4400万円で同51・7%減、セグメント損失は1億7600万円(前年同期は5200万円のセグメント利益)。航空・宇宙部門では、官需大型機向けのエンジン部品及び配管類の販売が大きく減少したほか、民間航空機向けシール材の販売も減少した。工業用品部門では、タンクシールの販売が減少した。利益面では、販売費及び一般管理費の削減に努めたが、売上高の大幅減により固定費を吸収することができなかった。

 不動産賃貸事業は、売上高が1億2300万円で同11・0%増、セグメント利益は3400万円で同47・2%増。前年同期には、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う商業施設の休業によりテナントへの賃料減額を実施したが、当期は休業や賃料減額の実施はなかった。

 通期の連結業績予想は、売上高が89億円で前期比11・2%減、営業利益は7500万円の損失、経常利益は9500万円の損失、純利益は9000万円の損失を見込んでいる。

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