ADEKAの2022年3月期第1四半期決算は、売上高が840億5800万円で前年同期比23・9%増、営業利益は89億5200万円で同77・4%増、経常利益は92億5000万円で同105・0%増、四半期純利益は59億5400万円で同91・8%増となった。
化学品事業の売上高は480億2800万円で同33・2%増、営業利益は70億6400万円で同90・8%増となった。
樹脂添加剤の自動車向けでは、自動車生産が前年同期の落ち込みから回復が進んだことなどにより、核剤、光安定剤、ゴム用可塑剤の販売が好調に推移した。
建材向けでは、北米で塩ビ用安定剤の新規採用が進み販売が好調に推移した。また、東南アジアにおいて鉛やスズ等の有害重金属を含む安定剤を規制する動きが加速し、インフラ用途で重金属フリー安定剤の販売も好調に推移した。
食品包装・医療用途向けでは、内食需要及びディスポーザブル医療器具の増加により透明化剤等の販売が海外を中心に堅調に推移した。
自動車や家電、日用品等のプラスチック製品に幅広く使用される酸化防止剤は、海外での競合品の供給トラブルに伴う需給の引き締まりもあり、販売が好調に推移した。
家電筐体向けエンジニアリングプラスチック用難燃剤は、パソコンやテレビの需要が増加し、中国、東南アジアで販売が好調に推移した。
この結果、樹脂添加剤全体では、原料価格高騰の影響を受けたが、販売数量の増加により、前年同期に比べ増収増益となった。
情報・電子化学品の半導体向けでは、5G通信やテレワークの広がりに伴う世界的なデジタル関連需要の拡大を背景に、最先端のDRAMに使用される高誘電材料の販売が好調に、NAND向け製品の販売も堅調に推移した。また、EUVに代表される最先端のリソグラフィ工程で使用される光酸発生剤の販売も好調に推移した。
ディスプレイ向けでは、液晶・有機ELパネルの需要が増加し、液晶ディスプレイ用エッチング薬液、光学フィルム向け光硬化樹脂、カラーフィルター向け光重合開始剤の販売が好調に推移した。
この結果、情報・電子化学品全体では、販売数量の増加により、前年同期に比べ増収増益となった。
機能化学品の自動車向けでは、自動車生産が前年同期の落ち込みから回復が進んだことなどにより、エンジンオイル用潤滑油添加剤、特殊エポキシ樹脂やエポキシ樹脂接着剤の販売が好調に推移した。
一般工業向けでは、インバウンド需要や外食産業向け需要の低迷が継続し、化粧品や洗浄剤向け界面活性剤の販売が低調だった。一方、建築塗料向けや米国FDA認証の強みを活かした営業展開により、食品包装ラベル用水性粘・接着性樹脂向けに反応性乳化剤の販売が好調に推移した。また、プロピレングリコール類も工業用を中心に需要が回復し、堅調に推移した。
この結果、機能化学品全体では、原料価格高騰の影響を受けたが、販売数量の増加により、前年同期に比べ増収増益となった。
22年3月期通期の連結業績予想は、売上高が3500億円で前期比7・0%増、営業利益が300億円で同3・5%増、経常利益が305億円で同4・2%増、純利益が190億円で同15・7%増を見込んでいる。