クレハの2022年3月期第1四半期決算は、売上収益が378億4800万円で前年同期比20・3%増、営業利益は42億5400万円で同69・4%増、税引前四半期利益は43億6000万円で同54・4%増、親会社の所有者に帰属する四半期利益は33億300万円で同61・2%増となった。
セグメント別に見ると、機能製品事業は売上収益は142億3800万円で同64・5%増、営業利益は9億7100万円(前年同期2億8100万円の営業損失)となった。
同事業の機能樹脂分野では、リチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂、シェールオイル・ガス掘削用途向けのPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品、PPS樹脂、その他の樹脂加工品等の売上げが増加したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに増加した。炭素製品分野では、高温炉用断熱材向けの炭素繊維の売上げが増加し、この分野での売上げは増加したが、営業利益は前年同期並みとなった。
化学製品事業では、売上収益は53億2500万円で同0・3%減、営業損失は4700万円(前年同期1億9800万円の営業利益)となった。
医薬・農薬分野では、慢性腎不全用剤「クレメジン」の売上げは増加したが、農業・園芸用殺菌剤の売上げが減少し、この分野での売上げ、営業利益はともに減少した。工業薬品分野では、有機薬品類の売上げが増加し、この分野での売上げは増加し、営業損失は減少した。
樹脂製品事業では、売上収益は112億1900万円で同6・3%増、営業利益は23億100万円で同29・3%増となった。
コンシューマー・グッズ分野では、家庭用ラップ「NEWクレラップ」およびフッ化ビニリデン釣糸「シーガー」の売上げが増加し、この分野での売上げ、営業利益はともに増加した。業務用食品包装材分野では、熱収縮多層フィルム等の売上げは増加し、この分野での売上げは増加したが、原材料価格の高騰により営業利益は減少した。
通期の連結業績予想は、売上収益が1500億円で同3・8%増、営業利益は150億円で同13・1%減、税引前利益は150億円で同15・5%減、親会社の所有者に帰属する当期利益は107億円で同20・7%減を見込んでいる。