東レは8月17日、東レプラスチックマレーシア(以下「TPM」)が製造・販売するABS樹脂トヨラック透明グレードの生産能力の増強を行い、本格生産を開始したと発表した。
今回の年産7万5000tの生産設備の増設により、TPMのABS樹脂生産能力は年産42万5000tとなり、既存の同社千葉工場(千葉県市原市)とあわせて、同社グループ全体の生産能力は年産49万7000tまで拡大した。
同社グループのABS樹脂トヨラックは、透明グレード、制電グレード、良塗装グレード、耐薬品性向上グレード等のトヨラック高機能グレードを取り揃えている。主な販売先である中国、アセアン市場に加え、欧米やインド市場への更なる販売拡大を進めていく計画で、今後はさらなる生産能力増強も検討している。
同社は、中期経営課題「プロジェクトAP―G2022」の基本戦略の一つとして「成長分野でのグローバルな拡大」を推進している。拡大する透明ABS樹脂の需要を確実に取り込み、さらなる供給安定性向上のため、今後も日本国内のABS樹脂生産拠点である同社千葉工場とマレーシア生産拠点であるTPMの有機的な連携をさらに強化し、グローバルな事業拡大を強力に推進していくとしている。