山下ゴム(鵜飼脩社長)の2012年3月期中間連結決算は売上高が185億1800万円、前年同期比25・2%減、経常損失4億8900万円の赤字となった。
前期は米国YUSAの業績改善、グローバルでの生産再編、原価低減策が寄与し、収益も過去最高を計上したが、今上期は東日本大震災の影響により、主力需要先であるホンダの完成車生産がグローバルベースで前年同期に比べ約4割ダウンしたことに加え、原材料価格の高騰、為替円高が収益を大きく圧迫した。 当期の日本国内の単体業績はホンダの国内生産台数にスライド、売上高が127億2700万円、前年同期比21・4%減、経常利益は売上減に加え、為替円高が響き、前年同期比76・9%減の1億4900万円にとどまった。
売上高は型物(防振ゴム)製品が前年同期比26・5%減の79億2700万円、押出(ホース・チューブ)製品が同19・8%減の21億5900万円、その他(金型等)が同2・6%減26億4000万円となった。
現在、同社の輸出比率は米国向け主体に一部欧州、中国向けに約20%を占めるが、海外展開の加速、グローバル最廉価調達の徹底を図ることで 12年度半ばまでにすべてを海外現地生産に切り替える。
通期業績見通しについて鵜飼社長は「リーマンショックが終わり、安堵していたところに東日本大震災、10月のタイ洪水、そして円高とまさに3重苦にあり、需要環境が大きく変化している。コスト競争力についても成長著しい新興国が激しく迫ってきており、いかにコスト競争力をつけるかが課題」とし、下期以降はタイ洪水の影響で受注が減っているが、生産再開後の見込み受注に対応、現在、国内、アメリカ、中国でフル生産を行っているという。
通期業績は単体で売上高は290億円前後、収益は2桁を維持、連結では売上高430億円前後、収益は上期の赤字から脱却し黒字転換を見込んでいる。
2011年12月14日