横浜ゴムは8月23日、同社の海洋商品生産販売会社である横浜工業品製造インドネシア(YIID)が6月、米国石油協会が発行する品質規格「API Specification Q1 9th Edition」(以下、「API Spec Q1」)の認証を取得したと発表した。同規格は石油、石油化学、天然ガス産業に関わる組織の品質マネジメントシステムを定めた世界的に影響力を持つ規格で、組織や商品の信頼性向上に貢献する。
同社は、石油商品・原油の移送に使用されるホースと、船同士や船と岸壁の間の緩衝材として使われる空気式防舷材で同認証を取得した。ホースでは海上・岸壁で使われるマリンホース、洋上においてタンカー間で用いるSTS(Ship to Ship)ホース、主に岸壁・タンカー間で用いる汎用ホースのOSD(Oil Suction&Discharge)ホースで取得、空気式防舷材は直径2・5m以下の商品で取得した。
同社は、マリンホースや空気式防舷材において世界トップクラスのシェアを誇っている。マリンホース「シーフレックス」ブランドは60年以上にわたり原油荷役で主要な役割を担っており、また、空気式防舷材は1958年に世界で初めて生産販売し、高い評価を受けている。すでにマリンホースで「API Spec Q1」を取得している同社に続いてYIIDも取得したことで、グループ全体での信頼性が一段と高まる。なお「シーフレックス」は両社で石油会社国際海事評議会の国際型式認証「GMPHOM2009」も取得している。
YIIDは2014年4月に設立されたインドネシア・バタム島東部のカビル工業団地にある工場で、2016年からマリンホースと空気式防舷材を生産販売している。
同社は2021年度から2023年度までの中期経営計画「YX2023」に取り組んでいる。MB事業では強みであるホース配管事業と工業資材事業にリソースを集中してMB事業の成長を牽引し、安定収益を確保できる構造を目指している。その施策のひとつとして海洋商品では高シェア維持と生産基盤強化を掲げており、石油業界や石油メジャーへの営業活動を加速化するとともに、商品力とブランド力の強化を進めている。