ドイツのランクセスは8月25日、自動運転に有効な熱管理性能を備えたレーダーセンサーの新しいコンセプトを開発したと発表した。同社は、高性能な熱可塑性プラスチックの主要サプライヤーであり、「ニューモビリティ」分野の開発パートナーとして知られる。運転支援システムは、次世代の自動車における主要機能として、その重要性がますます高まっている。車両周囲360度の監視は、特にレーダー波によって可能となり、レーダーセンサーは、距離制御、車線変更監視、衝突回避、死角監視システムなどにおいて、不可欠な要素を構成する。
センサーは防塵・防水でなければならないため、完全に密閉されたシステムとして設計される。これにより内部からの効果的な放熱が困難となり、その結果、電子機器の性能およびセンサーの耐久性を損なう可能性がある。同社ハイパフォーマンスマテリアルズ(HPM)ビジネスユニットのアプリケーション開発者であるグレゴール・ヤシュケヴィッツ氏は、「金属製の冷却素子と熱伝導性プラスチックを組み合わせて、熱を逃がすコンセプトを開発した。個々のセンサー部品は、一体化されたスナップフィットとホットリベットを使用して組み立てられ、このプロセスは、従来までのネジを使用する方法に比べ、はるかに安価で時間の短縮にもつながる」と述べている。
同社は、運転支援システム用のセンサーが、「デュレタン」ブランドのポリアミドと「ポカン」ブランドのポリエステルに多くの機会をもたらすと考えている。同社HPMビジネスユニットのグローバルアプリケーション開発エキスパートであるクリストファー・ホフス氏は、「当社はこのアプリケーション分野で大きな成長の可能性を見出しており、レーダーセンサーのコンセプトのような独自のアイデアで技術革新を進めたい」と述べている。