三菱ケミカルは8月25日、大日本印刷(以下「DNP」)およびリファインバースグループ(以下「リファインバース」)と連携し、蘭サーキュライズ社(以下「サーキュライズ」)の情報管理システムを活用して、バイオマスやリサイクル原料の管理・追跡(トレーサビリティ)、ライフサイクルアセスメント(LCA)等の環境負荷の評価指標への対応を含めた、透明性・信頼性の高いサプライチェーン構築に向けて、9月末までにかけて共同で実証試験を行うことを発表した。
石油由来プラスチックの代替となるバイオマスやリサイクル原料などの持続可能な資源を活用していくためには、原材料の使用量などの管理、認証材料などのエビデンス管理が重要となる。また、各サプライヤーのCO2などGHG排出量の可視化や、最終消費者への製品の環境配慮度の可視化も求められている。これに対し、サーキュライズは、パブリックブロックチェーンを利用し、原料から最終製品まで追跡するサプライチェーン・トレーサビリティシステムを開発している。この機密性の高い独自の暗号化技術により、サプライチェーン内の各企業の機密情報や公開情報を管理・共有することができる。
同社、DNP及びリファインバースの3社は、同実証を通じて、バイオマスやリサイクル原料を使用した製品のさらなる高付加価値化やマスバランス方式による原料管理の高度化に寄与するべく、高いトレーサビリティ精度を有するサプライチェーン構築の有用性を検証していく。
また、同社は、プラスチック油化のケミカルリサイクル設備の建設やそれに伴う原料プラスチックの調達等の循環型社会形成に貢献する技術・仕組みの実装に加えて、同実証により透明性・信頼性の高いサプライチェーンを構築することで、社会へのサステナブル製品の浸透を図り、サーキュラーエコノミーの実現に貢献していくとしている。