ランクセスは8月30日、2021年8月23日付で、米国のインターナショナル・フレーバー・アンド・フレグランス(IFF)グループが保有するマイクロビアルコントロール事業を買収することで合意し、両者が買収に関する契約を締結したと発表した。
IFF社のマイクロビアルコントロール事業は、物質保護剤、保存剤および殺菌剤のための、抗菌活性成分および抗菌活性製剤の主要サプライヤーで、これらの製品は、パーソナルケア製品、家庭用品、塗料、コーティング剤、工業用水処理など、幅広い用途に使用されている。
買収の手続き完了には、独占禁止法規制当局の承認が必要となる。さらに、同事業はIFFグループから分離される必要がある。そのため同社は、買収完了時期を2022年第2四半期と見込んでいる。
IFF社のマイクロビアルコントロール事業の年間売上高は約4億5000万米ドル、EBITDAは約1億米ドルとなっており、同社は買収完了後4年以内に、EBITDAで約3500万ドル(3000万ユーロ)の相乗効果を見込んでいる。今回の買収は、買収成立後の初年度に1株当たり利益の増加が見込まれる。
マティアス・ツァハト同社CEOは、「2021年は、成長に向けた様々な良い兆候を示している。IFF社のマイクロビアルコントロール事業の買収は、当社にとって今年ですでに4度目の買収となり、また、過去2番目に大きな買収規模になる。この度買収に合意した事業は、ランクセスの戦略的方向性に合致し、高い収益性を持つ特殊化学品、幅広い業界での用途、そしてグローバルなポジショニングの強化を推進する。これにより、ランクセスは世界最大規模のマイクロビアルコントロール製品メーカーとなる。同時に、グループ内においてコンシューマープロテクション部門をさらに強化し、その収益性と安定性の向上にも努めていく」と述べている。
同社は今回の買収に約13億米ドル(11億ユーロ)を支払う。ミヒャエル・ポンツェン同社CFOは、「当社が目指すシナジー効果を考慮し、EBITDAの9・6倍という魅力的な買収価格を実現している」と述べている。