エボニック上海R&Dセンター 研究開発の中核拠点に格上げ

2021年09月01日

ゴムタイムス社

 エボニックインダストリーズは8月31日、8月26日に上海莘庄工業団地にある研究開発(R&D)センターを「エボニック上海イノベーションパーク」に改称し、同時に世界における研究開発の中核拠点の一つに位置付けたことを発表した。同社は、中国における既存の研究開発活動をさらに拡大し、収益性の高い持続的な事業の成長を目指す。

 同社は、上海の拠点を世界に6つある研究開発中核拠点の一つとして位置づけたいと考えている。そのため、上海イノベーションパークに、研究、製品開発、プロセスイノベーション、パイロットプラント、応用技術、分析サービス、ベンチャーキャピタルによる投資などの多業種にわたるすべての能力と技術を結集し、この地域だけでなく世界の研究開発テーマに取り組んでいく。リソースを集約し、新たに設備投資することで、リチウムイオン電池の材料、高機能ポリマー、化粧品や洗剤などのスペシャルティ成分の処方技術などの技術力がさらに強化される。これによりエボニックは、e―モビリティ、グリーン製造、添加剤製造、消費財分野などの戦略的成長市場により優れたサービスを提供することができる。

 今回の研究開発体制の強化に伴い、同社は現地の優秀な人材の育成をさらに積極的に行っていく。同社は、2027年までに上海イノベーションパークの研究開発員を倍増する予定としている。

 さらに、さまざまなオープンイノベーションのアプローチを通じて、イノベーションネットワークの拡大も計画している。例えば、中国の主要大学と先端材料に関する複数の共同研究プロジェクトを進めているほか、ベンチャーキャピタルによるスタートアップ企業への投資を通じて新たなビジネスの可能性を探っている。

 同社は、地域のメガトレンドや現地のニーズに特化した研究や応用技術を通じて、顧客の競争力強化に貢献することを目指し、長年にわたり成長市場でのイノベーション力を高めてきた。中国では、2004年に莘庄区の拠点内に上海R&Dセンターを設立し、市場の急速な成長に合わせて設備を拡張してきた。同社は上海R&Dセンターの他にも複数の拠点に応用技術研究所を設置している。

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