住友理工は9月2日、今年1月に小牧市(愛知県)と締結した「健康づくり等の推進に係る包括連携協力に関する協定」に基づき、同市からの事業委託を受け、10月より、同社のフレイルiチェックシステムを使った各種測定を開始すると発表した。
同社は2022年3月末までの間、同市東部地区で暮らす65歳以上の市民約300名に対して測定を実施し、市民自らによる健康状態の把握など「気づきの支援」を進めるとともに、フレイルチェックの普及啓発につなげていく。
厚生労働省は2020年4月、75歳以上を対象に、フレイルかどうかを判断する「フレイル健診」(15項目の質問票)を開始した。同社は、糸島市(福岡県)・九州大学と締結した3者間協定の枠組みの中で、身体的フレイルに特化したフレイル対策に取り組んできた。この中で開発したフレイルチェックシステムは、握力や歩行速度、疲労度などを判定するとともに、自分が今どのような状態にあるかをわかりやすく把握できるように設計されている。その結果をもとに適切な介入・支援を行い、健康状態を改善して健康寿命を伸ばすことを目指す。
同社は10月の開始に先駆け、小牧市内で8月上旬、篠岡地区の民生委員・児童委員向けにフレイルチェック体験会を実施した。民生委員・児童委員は、市民の生活上のさまざまな相談に応じ、行政をはじめ適切な支援やサービスへのつなぎ役であるとともに、高齢者や障がい者世帯の見守りなど重要な役割を果たしている。その中から今回は約20名が代表して、実際の測定を体験した。
同社では今後、65歳以上の同市東部の住民向けに測定を開催し、順次、市内全域へと対象を広げていく予定となっている。また、同事業を通じて、自治体・大学・企業・市民団体や地域住民との連携による協働のまちづくりに積極的に参画し、同社の技術や製品、サービスを生かした健康で持続可能なまちづくりを目指していくとしている。