日本ゼオンは9月3日、同社のグループ企業であるゼオンケミカルズアジア(以下、ZCA社)が、2021年8月よりタイ国ラヨーン県においてアクリルゴムの商業生産を開始したと発表した。
アクリルゴムは、耐熱性・耐油性に優れた特殊ゴムの1つで、その特性を生かし、内燃機関搭載車にシールやガスケット、ホースなどの素材として使用されており、アジア地域を中心に今後も需要増が見込まれている。ゼオングループでは、これまで日本(川崎・倉敷)、アメリカの3拠点でアクリルゴムの生産を行っており、今回のZCA社商業生産開始により、グループ全体でのアクリルゴム生産量は2万2000t/年となり、世界4拠点からグローバルに供給する体制を強化する。
同社の中期経営計画においては、全社戦略の1つに「既存事業を磨き上げる」と掲げ、合成ゴムを含むエラストマー素材事業の差別化製品の強化や生産ラインの効率化を目指している。同社は、アクリルゴムの需要増を着実に取り込むことで、合成ゴム事業のさらなる強化を目指していくとしている。