ブリヂストンは9月8日、同社の米国グループ会社であるブリヂストン・アメリカスが、規制当局の承認その他必要な手続きを完了し、デジタルフリートソリューションプロバイダーとして北米でフリート(運送事業者)に対する運行管理サービスを展開するアズーガ・ホールディングス(アズーガ)の買収を完了したと発表した。取得価額は企業価値3億9100万USドル(約428億円)に、アズーガの運転資本等に係る調整を行った金額。
アズーガは引き続きシリコンバレー(カリフォルニア州フリーモント市)に本社を構え、400人を超えるアズーガの従業員は同社グループの新しいメンバーとなる。
同社グループは、「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供する会社へ」をビジョンとして掲げ、中期事業計画(2021―2023)において、「戦略的成長投資」を実行し、ソリューション事業のグローバル展開を加速していくことを発表している。
2012年に設立されたアズーガはGPSトラッキング、テレマティクス、ドライバーの動作モニタリングなど最新鋭のフリート運行管理プラットフォームを、6000を超える北米のフリートに提供している。
今回の買収により、2019年に買収した欧州ナンバー1のデジタルフリートソリューションプロバイダーであるWebfleet Solutionsと連携し、同社グループのモビリティソリューションをグローバルに拡大すると共に、リトレッドを中心としたタイヤセントリックソリューションとのシナジーにより、顧客の安全で効率的な運行を支え、車両の燃費改善を図るなど、安全性、環境性、経済性、生産性などの社会価値・顧客価値の更なる創出を図っていく。
また、アズーガが持つ運行管理プラットフォームから得られる車両データは、断トツ商品の開発にも活用される。加えて、タイヤの顧客ベースの拡大などを含め、タイヤ事業においても、シナジーを生むことが期待できる。
なお、同社は、同件が2021年12月期の同社グループ連結業績予想に与える影響は軽微としている。