丸紅は9月16日、同社が取り組む「循環型食器edishのバリエーション検討・成形技術実証及び堆肥化技術実証事業」が、環境省の「令和3年度脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」として採択されたと発表した。同実証事業の実施期間は2021年8月~2022年3月を予定している。
edishは2019年度に開催された同社のビジネスプランコンテストから誕生した循環型食器で、これまでほとんど用途がなかった食物の皮等の食品廃材を、独自の技術で食器にアップサイクルする。加えて、使用後に回収されたedishを生ゴミとともに堆肥化して土の栄養とし、野菜や花として再び飲食の場に戻すことで2回目のアップサイクルを目指す。
同実証事業の目的は、①使い捨ての食器、カトラリー(スプーン・フォーク類)を全てedish素材で揃えることで、分別の手間を減らし、利用者の利便性を向上させる、②回収したedishと混ぜる生ゴミの量をモニターの上、完成した堆肥の成分測定、発酵分解による排出ガスの検証を行う、③農業法人等に依頼し、完成した堆肥を用いて野菜の栽培実験を行い、堆肥としての有効性(栄養価)を確認する、の3点となる。
同社は、上記3点を検証するため、以下の場所において同実証事業を行う。
・「ホテル」 株式会社スーパーホテルの協力により、スーパーホテル富士河口湖天然温泉の朝食ビュッフェにて実証を行い、完成した堆肥は周辺の農地にて使用することを目指す。
・「大型公園」 愛知県の安城産業文化公園デンパークの協力により、公園内のバーベキュー場で使用する皿とコップにedishを使用し、公園内で循環させることでゴミの削減を目指す。
・「オフィスビル」 同社本社ビルの社員食堂で使用するテイクアウト容器、皿、カトラリーにedishを使用し、ビル内で回収、地下に設置したコンポスト装置で堆肥化を行う。
同社は2021年3月に発表した『気候変動長期ビジョン』において、事業を通じた低炭素化・脱炭素化への貢献を掲げている。今後も同社は、食品廃材を原料にしたedishを使用・回収し、焼却処分を行わない資源循環を実現することで、CO2排出量の削減を目指していくとしている。