帝人は9月21日、高機能繊維を用いた複合材料集成材「LIVELY WOOD」を使用した木造モバイル建築ユニットの製造を開始し、「LIVELY VILLA」ブランドとして販売展開を開始することを発表した。「LIVELY VILLA」は同社が協力工場に製造委託を行い、別注品(400万円~)として販売展開することとしており、9月21日より受付を開始する。
同社は「LIVELY VILLA」ブランドの普及を図ることにより、木材の地産地消の促進や、災害時に仮設住宅として役立つことを目指し、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」となること、およびSDGsの目標達成への貢献に向けて邁進していく。
「LIVELY VILLA」ブランドとして展開する第一弾として、大分県佐伯市で高齢者の福祉サービスを総合的に提供する長陽会の、コロナ禍における面会および簡易診察用の臨時施設として採用された。
「LIVELY VILLA」は、高機能繊維を用いることにより木材と同等の軽量性と鉄骨並みの高い剛性を併せ持つ、同社が開発した複合材料集成材「LIVELY WOOD」を使用した移設可能な木造モバイル建築ユニットで、用途としては、医療介護や福祉サービスの施設における面会および簡易診察用の施設やワーケーション施設、宿泊施設、グランピング施設、さらには非常時における仮設住宅などとしての活用を想定している。
「LIVELY VILLA」の梁の一部に「LIVELY WOOD」を採用することにより、モバイル建築ユニットを吊り上げる際に生じる建物全体の変形を抑制し、容易に移設を繰り返すことができるといった特徴がある。また、「LIVELY VILLA」に使用する木材は、地産地消をコンセプトに、設置する地域の木材を用いることにしている。
同社は、「LIVELY WOOD」と「LIVELY VILLA」を合わせ、2025年度に10億円、2030年度に30億円の売上を目指すとしている。