ダイセルは9月27日、今年8月に高生分解性酢酸セルロース「CAFBLO(キャフブロ)」が、海洋生分解性を証明する国際認証「OK biodegradable MARINE」を取得したと発表した。今回の認証取得は、工業用コンポストで安全に生分解することを証明する国際認証「OK compost INDUSTRIAL」に加え、2つ目の生分解性認証取得となる。
酢酸セルロースは、植物由来の「セルロース」と自然界に存在する「酢酸」を原料として製造される、天然由来かつ生分解性を持った環境にやさしい素材。使用後の酢酸セルロースは、最終的に水と二酸化炭素に生分解される。また、非可食性の素材を主原料としているため、将来懸念される食糧問題に対して影響を与えることもない。
同社は長年培ったセルロース化学技術を応用し、より生分解しやすい分子構造を見いだし、従来製品の品質を保ったまま、特に海洋での生分解速度をさらに高めた新製品「CAFBLO」を開発した。
大量のプラスチックゴミによる海洋汚染により、漁業や海洋生態系への影響、人の健康への懸念などが、大きな社会的課題となるなか、同社では酢酸セルロースおよび高生分解性酢酸セルロース「CAFBLO」の普及を通じてこの社会的課題の解決を目指す。酢酸セルロースは、メガネフレーム、繊維、液晶保護フィルム、化粧品など人々の生活の中で広く利用されており、可塑剤を加えることで、他のプラスチック同様に熱成型も可能となる。同社では今後もパートナー企業や自治体と協力し、海洋への流出が懸念されるさまざまな製品へ酢酸セルロースおよび高生分解性酢酸セルロース「CAFBLO」が採用されるよう用途開発を進めていく。
2021年09月29日