三菱ケミカルは9月28日、同社のバイオエンジニアリングプラスチック「デュラビオ」が、トヨタ自動車が2020年12月から販売している燃料電池自動車新型「MIRAI」のリアヒーターコントロールパネルに採用されたと発表した。デュラビオがMIRAIに採用されたのはこれが初めてとなる。
デュラビオは、再生可能な植物由来原料イソソルバイドを用いたバイオエンプラで、耐衝撃性・耐候性・耐熱性などの点で一般的なエンプラよりも優れた物性を有している。また、一般的なエンプラは、自動車のシートに含まれるアミンという物質により劣化(白濁など)することが知られているが、デュラビオは耐アミン性にも優れているという特徴も有する。これらの特性を活かし、車載ディスプレイ前面板やフロントグリルなど自動車の内外装意匠部品への採用が進んでいる。
トヨタ自動車のMIRAIは水素で発電した電気で走る燃料電池自動車であり、環境課題とエネルギー課題の解決に貢献する「究極のエコカー」と呼ばれる環境車となっている。同社のデュラビオは、内装材として求められる耐衝撃性や耐薬品性といった物性に加え、植物由来原料の素材である点が、MIRAIのコンセプトとも合致し、今回の採用に至った。
同社では、植物由来で環境負荷低減にも寄与できるデュラビオの用途展開を通じて、環境にやさしいクルマづくりに貢献していくとしている。