エボニックジャパンは10月5日、同社と塩野義製薬の合弁会社であるDSLジャパンが同社赤穂工場(兵庫県赤穂市)で進めてきたスペシャリティシリカの製造ライン増設工事が完了し、竣工式を行ったと発表した。環境負荷低減へのニーズによる高機能ゲルタイプシリカの需要増に応えるためで、今後さらに高まる高機能化へのニーズを取り込むことで、スペシャルティシリカの重要拠点として発展を続けていく。
DSLジャパンのゲルタイプシリカは、用途ごとに高度な要求性能を満たすため、あらゆる物性を精密な設計をしている点に特徴があり、主に触媒、農薬、ビールなどの業界で使われている。また、日本での販売のみならず海外にも輸出している。DSLジャパンでは、製造ライン増設により、さらに高機能・高品質な製品を効率よく生産することが可能となるとしている。
同社赤穂工場は、エボニックグループのアジア地域における湿式シリカ製造拠点の中で、高機能ゲルタイプシリカをはじめとする特殊シリカ製品の製造比率が群を抜いて高い。
なお、DSLジャパンの川本謙一社長は「コロナ禍の厳しい状況下で行われた増設投資となったが、今まさに需要回復期というニーズの高まるタイミングに間に合い、お客様の期待に沿えることを大変うれしく思う」とコメントした。
一方、日本におけるエボニックグループの代表者で、シリカ事業部のヘッドであるフロリアン・キルシュナーは、「今回の増設により、日本のお客様からの高度なニーズに応えるだけでなく、海外の需要にも対応し、持続的なビジネスの成長に貢献できると確信している」と述べた。
2021年10月05日