関西ゴム技術研修所(駒水謙二所長)は10月1日、オンライン形式で第60回入学式を開催した。
例年は9月に入学式が行われているが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により10月の開催となった。研修生32人が9ヵ月間にわたり、ゴムの技術を学ぶ。
駒水所長は、研修生に向け、研修所創設の理念とコミュニケーションの大切さを2つのポイントとして説明した。
研修所創設の理念では、駒水所長は「60年前に設立した関西ゴム技術研修所では、ゴム技術者は我々ゴム業界の手で育てようという想いで設立された」と創設経緯を伝えた。また、同研修所を通じて「コロナ禍で入学式後の懇親会は中止となったが、研修生同士のつがなりを大事にし、たくさんの人でオンラインで話をしてほしい。その関係は、一生の友人になるだろう」とコミュニケーションの大切さを語りかけた。
最後に、「今はとても不安でいっぱいだと思うが、すでに2400人以上もの卒業生が会社で活躍している。また体調管理に注意し、コロナ対策をしっかりと行い、9ヵ月間乗り越えていただきたい。私たちも全力でバックアップしていく」と研修生を激励し、あいさつを締めくくった。
来賓の祝辞として、オンラインで日本ゴム協会の斎藤拓会長は「関西ゴム技術研修所で、ゴム技術の土台となる基礎を身につけることが最も重要だ。この研修の講義、演習、さらには見学会によってゴムの基礎を幅広く学んでほしい」とあいさつした。
この後、研修に関する注意事項などの説明が行われ、山口幸一名誉所長による特別講演「ゴム工業概説」が開かれた。山口所長はゴムの歴史をはじめ、ゴムの種類や配合剤・充てん剤・補強剤、最近のゴム技術の動向について分かりやすく解説するなど、入学式に相応しいテーマで講義がなされた。