横浜ゴムは10月6日、ゼンリンの協力を得て同社が開発中のタイヤ内面貼り付け型タイヤセンサーの実証実験を開始したと発表した。実証実験用の車両を用意し、日本全国で実施する。
同実証実験は、同社が開発中のタイヤセンサーとアルプスアルパインが開発した車載器を、ゼンリンの協力のもと実証実験用車両に取り付け、タイヤ内面貼り付け型センサーの市場耐久性の確認及び、車両に搭載する車載器によるタイヤ空気圧の遠隔監視システム(TPRS)の検証・構築を行う。また、空気圧情報とGPS情報による位置情報をゼンリンが有する豊富な地図情報との連携により、新たな付加価値を提案するタイヤビジネスの実現を目指す。
同社の「TPRS」は、CASE、MaaSなど自動車業界の変革に対し、タイヤメンテナンスの省力化や精度の高いタイヤ管理、効率的なメンテナンス計画など車両管理者にとっての有効性を探るとともに、安定的な安心・安全運行や燃費向上など車両保有者にとってのメリットを検証し、ドライバーの安全性や経済性の向上に貢献するビジネスモデルの確立を目指す。
「TPRS」はタイヤの空気圧や温度、車両の位置情報をリアルタイムでリモート監視することができるシステムで、タイヤメンテナンスの大幅な省力化に加え、点検のバラツキ防止、異常検知による事故防止、適正な空気圧維持による燃費向上などに貢献し、検知データはリアルタイムでクラウドサーバーに保存される。
同社は2021年度から2023年度までの中期経営計画「YX2023」におけるCASE、MaaSへの対応策として、センシング機能を搭載したSensorTire(IoTタイヤ)の開発と機動的なサービス力の強化による新たなタイヤソリューションサービスの展開を掲げている。2月には乗用車用タイヤセンサーの中長期的な技術開発ビジョン「SensorTire Technology Vision」を発表し、IoTタイヤから得られた情報をドライバーや様々な事業者に提供することで新たなモビリティ需要の変化に対応しつつ、安心・安全な運行に持続的に貢献することを目指している。この実現に向けた活動の一環として、異業種との実証実験を行っている。