秋以降も価格改定続く ゴム製品にも値上げ広がる

2021年10月25日

ゴムタイムス社

 21年秋以降もゴム樹脂では価格改定が相次いでいる。主原料のナフサ価格上昇に加え、ユーティリティコストや物流費上昇も一因だ。国産ナフサ価格は、コロナからの需要回復を受けた原油価格の上昇に加え、アジア域内の堅調な需要で騰勢を強めており、6万円/kLを超える水準まで上昇する。

 ゴムや樹脂、エラストマーを始め、ベルトやホース、パッキンやОリングなど自動車部品や工業用ゴム部品でも値上げの動きが広がっている。
 信越化学工業はシリコーン全製品を対象に21年10月出荷分より国内外で価格改定を実施した。価格改定率は現行価格から10~20%値上げ( 一部製品は20%以上の値上げ)としている。
 昭和電工はクロロプレンゴム(ショウプレン)について9月10日出荷分から42円/kg以上引き上げた。
 東ソーは9月16日納入分よりクロロプレンゴムの価格改定を実施した。
対象製品は「スカイプレン」全品種で、価格改定幅は現行価格からプラス40円/kg以上となっている。
 デンカはアクリル系特殊エラストマー「デンカER」について9月21日出荷分より価格改定した。値上げ幅は国内が100円/kg以上、輸出が1000ドル/t以上。
 旭化成は水添スチレン系熱可塑性エラストマー「タフテック、S.O.E」について9月6日出荷分より46円/kg以上値上げした。
 クラレは、水添スチレン系エラストマー(セプトン、ハイブラー)、TUポリマーの価格を10月1日出荷分よりグローバルで改定した。改定幅はプラス0・44 US$/kgとなっている。
 NOKはオイルシール・Oリング・パッキン等のシール製品をはじめとする国内代理店向けカタログ掲載品目(一部除く)の価格を10月1日受注分より10~20%値上げした。
 弘進ゴムは長靴や合羽、安全靴、ホース、シート、KKS品、金具などを含む同社製品全般で10月1日出荷分から値上げ率10%以上の価格改定を実施した。
 三ツ星ベルトは伝動ベルト、金属製品、搬送ベルト、樹脂製品の製品価格を改定する。伝動ベルトの価格改定率は5%、実施時期は22年1月1日受注分より。金属製品の価格改定率は5~10%、実施時期は22年1月1日受注分より。搬送ベルトの価格改定率は5~15%、実施時期は21年10月1日受注分より。樹脂製品の価格改定率は10~15%、実施時期は21年11月1日出荷分(一部製品実施済み)だ。
 ニッタはベルト、ゴム成形品、ホース、チューブ、継手製品ついて10月1日受注分より価格改定を実施した。価格改定率はベルト類・ゴム成形品が5~8%、ホース・チューブ・継手製品は10~20%となっている。
 TOYO TIREは、米国のトーヨータイヤ販売子会社トーヨータイヤUSAが11月1日より、冬用タイヤを除く一部のカテゴリのタイヤについて、ディーラー向け販売卸価格の値上げを実施した。対象商品は市販用乗用車用タイヤ及び市販用ライトトラック用タイヤの一部(ただし、冬用タイヤを除く)で、改定率は2%~8%となっている。
 クラレは9月1日出荷分よりEVOH製品(エチレン・ビニルアルコール共重合体「エバール」)について値上げした。
 また、同社はポリビニルアルコール樹脂「クラレポバール」「エルバノール」、ポリビニルアルコール系樹脂「エクセバール」「モビフレックス」について10月15日出荷分より30円/kg以上値上げした。
 東ソーは低密度ポリエチレン「ペトロセン」をはじめとする同社ポリエチレン樹脂全製品について11月1日納入分より16円/kg以上値上げする。同社は石油樹脂「ペトコール」と「ペトロタック」の全グレードについても価格改定を10月25日出荷分より実施した。価格改定幅は現行価格からプラス40円/KG以上となっている。
 プライムポリマーはポリエチレン・ポリプロピレンで値上げした。値上げ実施時期は10月21日納入分からで改定幅は15円/kg以上。
 デンカは10月11日、デンカ球状シリカ(FB・FBX)の価格について11月1日納入分より10~15%値上げする。
 東海カーボンは摩擦材の同社製品について11月1日出荷分より10%値上げする。また、同社はファインカーボン全製品の販売価格に関して10月より10%の値上げを実施した。

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