ダウは10月15日、IRデー2021において、EBITDAを30億ドル以上増大させると同時に、サイクル全体で設備投資を減価償却費および償却費(D&A)の水準以下に抑える計画を発表した。
この投資により、同社の循環型および低炭素製品はポートフォリオ全体に広がるとともに、炭素排出量をゼロにするという目標が世界中の生産設備で促進される。短期的な設備投資、事業拡大投資によって、EBITDAを約20億ドル増大させ、新設の炭素排出量正味ゼロのエチレンおよび誘導品工場により、2030年までに年間約10億ドルのEBITDAを達成させることが見込まれている。
また、進行中のプロジェクトは、全社的なデジタル化の推進によって2025年末までに3億ドルのEBITDAを達成するという同社の目標や、2021年末の目標達成に向けて順調に進んでいる3億ドルのランレートEBITDA再構築の目標を含め、同社の売り上げやキャッシュフローの増大にも貢献する。
これらのプロジェクトを通じて同社は、より利益率の高い高成長製品の需要拡大に対応すると同時に、グローバルなスケールを生かして、パッケージング、インフラ、消費者、モビリティなど、GDPを大きく上回る継続的成長が見込まれる魅力的な最終垂直市場を深耕することができるようになる。
また、同社は、世界初となる炭素排出量正味ゼロのエチレン施設を建設する計画、および二酸化炭素排出に関して、初の炭素排出量正味ゼロの工場を建設するため、カナダのアルバータ州フォート・サスカチュワンの設備を改修する計画を発表した。これらの投資により、同社の世界のエチレン生産能力は約20%脱炭素化し、ポリエチレンの供給は約15%拡大する。
これらの投資は、年間正味炭素排出量をさらに15%削減し、2030年までに年間正味炭素排出量を約30%削減(2005年比)するという同社の取り組みを支える。炭素排出量ゼロに向けて、循環型水素および炭素の回収と貯蔵を含め、短期的な技術関連投資を拡大する計画であり、また、モジュラー原子炉への投資も検討されている。