ダウは10月15日、プラスチック廃棄物の抑制、温室効果ガスの排出削減および化石燃料由来のバージン・プラスチックと同じ性能を持つリサイクルプラスチック製品を顧客へ提供する取り組みにおいて、いくつかの進展を発表した。この進展により同社は、2022年より完全循環型ポリマーを顧客へ初期供給することが可能となる。
同社とフエニックス・エコジーグループは、高度なリサイクルを通じた循環型プラスチック生産の拡大に向けた初期契約を拡大し、オランダのヴェールトに第2工場を建設する。新しい工場では、2万tの廃棄プラスチックが熱分解原料油に加工処理され、オランダのテルネーゼンに所在する同社の生産拠点において、新しい循環型プラスチックの生産に使用される。
また、同社とグンバー・ペトローリアム・ロッテルダムは、プラスチック廃棄物由来の熱分解原料油を精製する最終契約を締結した。グンバーは、2021年からクラッカーに対応した原料を同社へ供給開始し、この原料は顧客向けの循環型プラスチックの生産に使用される。この精製プロセスは、熱分解原料油が新しいポリマー生産に必要な品質を保つために必要となる。
同社はミュラテクノロジーと提携し、ミュラのHydroPRS(熱水プラスチックリサイクルソリューション)と呼ばれる新しい高度リサイクルプロセスの急速な拡大を推進することを発表したが、今回の進展はその取り組みを補完するものとなる。HydroPRSを用いた世界初の工場は、現在イギリスのティーズサイドで建設中であり、2023年には年間2万tの最初の生産ラインが稼働開始予定となっている。これにより同社は、さらなるリサイクル原材料を調達できるようになる。これらの取り組みにより、例えば包装用軟質プラスチックなど従来ではリサイクルができず、一般的に焼却または埋め立て処分されているプラスチックをリサイクルできるようになる。
同社は、2030年までに、直接またはパートナーシップを通じて100万tのプラスチックを回収、再利用、リサイクルし、2035年までに、包装用に販売される製品の100%を再利用可能またはリサイクル可能にするという目標を定めている。